クラリスロマイシンの血中濃度・半減期から持続時間を知る
クラリスロマイシン服用後の持続時間は、「血中濃度」「半減期」から概算することができます。
血中濃度最大時間 | 半減期 |
---|---|
約2時間 |
約8時間 |
※250mg、500mgともにほぼ同じ結果
参考ページ:Clarithromycin increases linezolid exposure in multidrug-resistant tuberculosis patients
そのため、500mgであれば1日持続時間が継続し、1日1回朝食後の服用で血中濃度を保つことができます。250mgの場合は、1日2回、朝夕食後に服用するとよいでしょう。
服用タイミングがズレないようにする
クラリスロマイシンの半減期は8時間程度なので、24時間ほどで血中濃度はだいたい1/8程度です。そうなると体内の細菌を退治するパワーを継続できないので、そのままにしているとぶり返してしまうかもしれません。なので、クラリスロマイシン500mgの場合は1日1回、250mgの場合1日2回の服用が必要となります。なお、服用タイミングは、朝か夕の食後となります。
もし1日目は朝、2日目は夜といった形で、都合よく服用タイミングをズラしてしまうと、クラリスロマイシンの血中濃度が足りない時間帯が出てくることになります。なので、クラリスロマイシンは「朝」か「夕」の服用タイミングを決めたら、飲みきるまでそのタイミングで服用するのがよいでしょう。
ただ、お酒(アルコール)を飲んだ場合は話が変わってきます。なぜなら、飲酒をするとその後半日程度はクラリスロマイシンを服用しないほうがいいのです。
アルコールを服用してからある程度時間をあけつつ、クラリスロマイシンの服用タイミングができるだけズレないタイミングを考えるようにしましょう。
腎臓障害や肝臓障害がある際の血中濃度
医薬品は体の中で代謝されて、じょじょに排泄されることになります。なので、血中濃度はだんだん下がります。
- 腎排泄(腎臓で排泄)
- 胆汁排泄(肝臓の胆汁の中に排泄)
排泄ルートは↑の2種類ですが、クラリスロマイシンはどちらも利用します。
そのため、腎不全や肝臓障害などで腎臓・肝臓の機能が落ち込んでいると、クラリスロマイシンの血中濃度が下がりにくくなるリスクがあります。なので、腎臓や肝臓になんらかの障害がある場合は、通常通りの服用をしているとクラリスロマイシンの血中濃度のコントロールができにくくなるのです。
クラリスロマイシンの服用を減らして対応するという考え方もありますが、現実的には別の抗生剤の使用を考えたほうが無難です。自己判断は難しいので、腎臓・肝臓障害がある場合は医師の診察を受けるようにしましょう。
(コルヒチンを服用している場合は、クラリスロマイシンの服用は禁忌 → 併用禁忌・注意薬のまとめ! )
用事があるときはどうする?
仕事やプライベートで外出する場合は、クラリスロマイシンは朝に飲むのがよいでしょう。そうすれば夕方に飲むのを忘れてしまっても血中濃度の低下を防げます。もし医者に夕食後に飲むように指定されたときは、朝でもいいか聞き、ダメなら常に持ち歩いて飲み忘れをしないよう注意しましょう。
そして、クラリスロマイシンの飲み忘れが多いのが外泊旅行です。もし1泊以上外で過ごすなら、必ずクラリスロマイシンを持っていき、服用のし忘れを防ぎましょう。